Interview

有限会社かねいわ商店

社長

伊藤厳

「有限会社かねいわ商店」さんは、1979(昭和54)年創業の黒はんぺんの製造工場です。社長の名前「伊藤厳(いわお)」の「いわ」を使い、「かねいわ商店」と名づけたそうです。

【松村】

まずは、創業当時の頃のお話をお聞かせください。

【伊藤】

うちは、黒はんぺん業者の中では後発組になります。なかなかスーパーマーケットに参入することができなくていろいろ苦労しましたが、給食関係など業務用に糸口を見つけ、なんとか仕事を続けることができました。

【松村】

ご苦労されたんですね。後発組とのことですが、そのために何か工夫はなさいましたか?

【伊藤】

今年で創業44年になりますが、地元小川港で水揚げされた新鮮なサバを使い、昔ながらの製法で黒はんぺんを作っています。創業数年後に、販売されていたうちの黒はんぺんを自分が食べてみて、食感がぼそぼそしていると感じました。それでいろいろと考えて、タラのすり身を入れることを思いつき、まとまりのある食感に近づけたと思います。実は、タラを入れるのは面倒なんですが、そのお陰で肉厚でジューシーな黒はんぺんに仕上がったと思っています。お客様には「生で食べるのはもちろんですが、七輪であぶって食べると何もかけなくても『ご馳走』に化けます」なんて、喜んでもらったりしているんですよ。

【松村】

パン粉をつけた商品を売り出したのは、いつごろからですか?

【伊藤】

20数年前です。それまで業務用に作っていましたが、忙しい主婦のことを考えて、ご家庭ではんぺんフライを作るときに一手間を省けるように、パン粉をつけた家庭用の商品も販売するようになりました。パン粉は今も昔と変わらず女性スタッフが手作業で、丁寧に付けており、パン粉自体も特注です。

【松村】

特注ですか、それはすごいですね。

【伊藤】

特注パン粉にしたのは、昔お客様からパン粉がはがれたとクレームがあったんです。お客様の声をよく聞き、その都度より良い方法を探す。そのためだったら手間を惜しまないようにしています。

『季節によって魚が変わる。つまり味も変わってくるんです。』

その後、冷凍食品にしたため冷凍庫で保存も可能になり、お客様に喜ばれています。新製品としてチーズをはんぺんで挟んだチーズサンドも好評です。

【松村】

なるほど。それが厳しい競争環境の中でも、愛されている理由ですね? 

はんぺん作りの醍醐味はどうですか?

【伊藤】

黒はんぺんの原料は、脂が乗りすぎていないものが良いんですよ。季節の旬によって仕入れる魚が違ってくるので、原料も変わる。つまり味も変わってくるんです。この味の違いを感じられるのも、地元ならではの黒はんぺんを食べる面白味の一つなんですよ。

【松村】

そうですよね、地元ならではの楽しみですね!

今日はありがとうございました!!

安心・安全・美味しさの感動

有限会社かねいわ商店

私たちは昭和54年9月創業、黒はんぺん製造工場で焼津の中では後発組です。 それなりに厳しい出発でした。そこで、通常の黒はんぺんはもちろんの事、それに一手間加えた真空はんぺん、 業務用冷凍はんぺん、パン粉付黒はんぺんに力を入れ商品化に成功し、現在に至ります。

【屋号について】
焼津では屋号に(やま)とか(かね)をつけるのが通例であったため、代表者、伊藤いわおの「いわ」を使い、かねいわ商店としました。