Interview

株式会社久星商店

3代目

斉藤弘

なまり節の製造会社。昭和初期の創業以来、新しいものも取り入れながらも、伝統の「手火 山式焙乾製法(てびや ましきばいかんせいほう)」を守り続けて今日に至ります。 

焼津の網元探検隊が、3 代目 の斉藤弘さんにお話を伺いました!

【松村】

ご経歴を教えてください!

【斉藤】

大学卒業後すぐに今の仕事を始め ました。僕は男3人兄弟の次男ですが、兄 が家業を継ぐ気がなく、親からは「大学を 卒業したらそのまま帰ってこい!」と言われ て、自分自身も 家業の仕事をやりたくなっ ていたこともあり、帰ってきて家業を継ぎ ました。親父は職人気質で、僕は誉められ たことが一度もない。そのうえ、入社当時 は右も左もわからず、周囲の同業者の先輩 方もとても厳しかった。ただ、一人親方の 会社だから、結構自由にやらせてもらった とも思う。市場に揚がる魚を自分で見て選 び、魚の種類を替えて工夫したりできたか な。自分たちが作った商品がお客様・市場 に評価される と、もっといいものを作ろう と思ったね。でも、僕が 40 歳手前の頃に親父が倒れてしまって…、なんだか、思い返すと入社してから 今 までずっと、ピンチの連続だったなぁ(笑)。 

【松村】

オンラインショップ「焼津の網元」に出品いただいている久星さんの なまり節は“一本釣りで獲っ た 鰹”だけを使って作られています。普通の鰹とどう違うのでしょうか?

『自分たちが納得できる本当に良い商品を作るのに手一杯』

【斉藤】

鮮度の順番で言うなら、一番鮮度が良いのは“生”、次に“一本釣り”、 “旋網”、の順かな。だから、 なまり節の原料としては最上級のものを使っていることになるね。
従業員と一緒に朝から晩まで、一生懸命 工場で作業をしているのが 精一杯。
自分たちが納得できる本当に良い商品を作るのに手一杯 で、それをど うやって売るか、ど ういう情報を発信すべきか、まだ まだ手探り状態なんだ。

“作る”の はプロでも、“売る” のは素人なんだよね(笑)。

ただとにかく、お客様に評価してもらえるように、これからも良い原料を使った こだわりのなまり節を作り続けていくつもりだよ。 

創業以来、伝統の手火山式焙乾製法を守り続ける

株式会社久星商店

私たち久星商店は昭和初期から地元焼津で3代続く水産加工場です。 新しいものを取り入れつつ伝統を守り今日に至っています。 創業以来、伝統の手火山式焙乾製法を守り続けており、なまり節はもちろんのこと、その他加工食品の製造も行っています。

【屋号について】
当社は昭和の初め頃に、初代斉藤国太郎が創業しました。 祖父の実家は鰹節の卸売業を営んでおり、屋号が山久星でした。恐らく、当社の屋号は山久星から由来していると思いますが、山久星の取引先で近梅商店という会社があり、屋号が当社と全く同じでもあることから、そちらからとったのかもしれません。